不動産の売却金額に多大な影響をおよぼす要素のひとつに「心理的瑕疵」があります。
心理的瑕疵物件は相場よりも価格を下げなければ売れにくい傾向にありますが、心理的瑕疵とはどういったものなのか、どの程度価格が下がるのかについてよく知らない方も多いでしょう。
今回は、心理的瑕疵が物件の価値に与える影響や、心理的瑕疵物件売却時の注意点を解説します。
不動産売却時に気を付けたい心理的瑕疵とは？
心理的瑕疵物件（しんりてきかしぶっけん）とは不動産を購入する際に心理的に抵抗感を抱く欠陥がある住宅のことで、事故物件とも呼ばれています。
たとえば、物件内で起きた事件や事故が原因で人が亡くなっている、近隣に墓場や火葬場などの嫌悪施設があるなどのケースが該当します。
心理的瑕疵のある不動産を売却する際は、買主にその旨を告知しなければなりません。
もし心理的瑕疵の事実を隠して売却し、のちにそれが発覚した場合は買主から損害賠償を請求されかねない点に注意が必要です。
心理的瑕疵が不動産売却価格に与える影響
心理的瑕疵を抱える不動産をあえて好んで購入する方はあまりいないため、売却価格に大きな影響をおよぼします。
心理的瑕疵の程度によって異なりますが、物件内で自殺によって人が亡くなっている場合は相場の3割、殺人事件が起こった場合は5割ほど金額を下げなければ売却は難しいでしょう。
ただし、心理的瑕疵物件であっても立地条件が良い場合は、そこまで値下げをしなくても買主が見つかる可能性があります。
自然死の場合でも不動産売却時に告知義務は課される？
「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によると、死因が老衰死や病死などの自然死、死後すぐに発見された孤独死の場合は心理的瑕疵物件には該当しないため、告知義務は課せられません。
ただし、発見が遅れて遺体が損傷し、物件ににおいや汚れなどが染み付いてしまっている場合は、自然死であっても心理的瑕疵物件として扱われてしまう点に注意が必要です。
また、人の死の発覚からいつまで告知する義務を負うのかについて、とくに期間の定めはありません。
心理的瑕疵物件を売却する際は、原則その事実を買主に告知しなければならない点を押さえておきましょう。
まとめ
物件内で発生した事故や事件などによって人が亡くなっている心理的瑕疵物件を売却しようとしても、相場よりも価格を下げなければ買主は見つからないでしょう。
また、心理的瑕疵物件の売却時には買主に対してその事実を告知しなければならない点に注意が必要です。
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